1.会社の貸付金と退職金との相殺!!
社員が退職するときに、社員への貸付金を控除して、残額を退職金として支給したいと思っています。このような処理方法が、法律で許されるのでしょうか?
このような質問が来ました。このような場合は、社員からの申出であれば、労働基準法の違法ではありません。しかし、会社側が「退職金と相殺」というようなバイアスをかけた場合はどうでしょうか?このような場合は労働基準法違反です。会社側からの働きかけによる場合は、賃金との相殺は許されません。あくまでも社員からの自由意思による場合で、申出があったときに受け入れられるものです。しかし、自由意思によることの証明は難しいので、実務的には書面による取り交わしを行い、保存することが望ましいと考えられます。
2.退職金を他に譲渡することはOK?
退職が確定している社員が、金策のために金融業者に債権譲渡をしたようです。その業者から直接、退職金を支払って欲しいとの連絡がありました。どのように対応したら言いのでしょうか?
社員が退職金請求権を他に譲渡する旨の契約は有効です。しかし、会社が譲受人である金融業者に直接支払うことは労働基準法第24条に定める「直接払いの原則」に違反することになります。
社員が債権を譲渡することは有効ですが、会社が直接その業者に支払うこととは問題が違います。仮に、直接支払ってしまったら、10万円以下の罰金に処せられることになります。皆さんの会社は大丈夫ですか?
3.死亡退職金は誰に支払う?
社員が死亡したので、その妻に退職金を支給しようとしたところ、息子から異議が出ました。この様なときはどうしたらいいのでしょうか?
社員が死亡した場合、退職金を受ける権利のある人は、遺産相続人です。しかし、死亡退職金債権は、死亡という事実によって成り立つ事実なので、相続財産とはなりません。したがって、退職金規程の中に、死亡退職金の受給権者の順位が定められています。その第一順位が妻となっていれば、息子の主張を無視しても問題ないわけです。しかし、この規定で特に定めが無ければ、遺産相続人に支払うということになります。となると、この場合は息子の意見を無視するわけにはいかないでしょう。
4.内縁の妻への死亡退職金の支払は?
死亡した社員の退職金の支払で、その社員は妻と別居し、内縁の妻と長年生活していました、この場合ですが、死亡退職金はどちらに支払うべきでしょうか?
この問題は、法律を厳密に適用すれば妻への支払となります。しかし、実態として夫婦の状況で無い場合は、どのように判断するのでしょうか?似たような判例がありますが、生活の状況や実態に照らし合わせての判断がされています。一概には結論が出せませんが、慎重に対応することが求められます。
以上のように問題点はいろいろあります。退職金の支払については、社員との関係が終結するので、慎重にことを運ばなければいけません。
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