1.懲戒解雇の時の退職金は?
「社員を懲戒解雇にした場合は、退職金の支給はしなくても大丈夫ですが?」このような質問をいただきました。
確かに懲戒解雇になったのに「退職金がもらえる」という話は聞いたことはありません。しかし、「退職金ゼロ」は懲戒解雇が法律的に有効なものでないといけません。そして、就業規則等に「懲戒解雇されたときは、退職金を支給しない」と明記することも条件です。つまり、解雇が有効かつ規程に明記しなければ、懲戒解雇であっても退職金を支給しなければならないということです。
2.懲戒解雇の有効性!
懲戒解雇を理由として、退職金を支払わないのは規程に定めます。ただ、懲戒の事由が「有効か?」「無効か?」が争点になることが多いです。もし無効なら退職金を払わないといけません。では、懲戒解雇で払わなくてもいい基準とは何でしょうか?
それは懲戒解雇が「社員の責めに帰すべき事由」による即時解雇であるかどうかです。即時解雇とは「すぐ辞めさせなさい!」ということです。普通の解雇であれば、30日前に解雇することを予告するか、30日分の給料を支払わなければなりません。
しかし、すぐに辞めさせないと悪影響があるので普通の解雇とは取扱が異なります
それから即時解雇の認定は、労働基準監督署が行います。つまり、「即時解雇=相当のあやまち」を犯さなければ認められません。これが認められれば有効な懲戒解雇です。そして、退職金の支給はしなくてもいいことになります。
3.即時解雇の具体的な理由は?
即時解雇が認められるのは次のようなケースです。
・ 社内での窃盗、横領、傷害など、刑法により罪が問われる場合
・ 賭博、風紀を乱す等職場規律を大きく乱し、他の者に悪影響を及ぼす場合
・ 採用条件の要素となるような経歴を詐称した場合
・ 正当な理由無く2週間程度無断欠勤をし、出勤の命令にも応じない場合
等いろいろあります。
社員が法律を犯したり、公序良俗を犯したときに主に認められます。
しかし、上記の「即時解雇」以外でも懲戒解雇そのものは存在します。例えば「会社の信用や名誉を著しく傷つけた場合」や「著しい反社会行動をとった場合」も考えられます。そういったケースは、退職金の全額を支払わなくてもいいのでしょうか?
「白か黒か?」ということとなると、話がこじれるケースが多いです。裁判沙汰になったら、金額の大小は裁判の結果に従うしかありません。判例でもイロイロなケースが確認されています。一言では結論がでないでしょう。
4.まとめ!
いずれにしても、退職金を支払わないとする事由についての有効性は個々のケースでの判断です。具体的、個別に検討して、職場の秩序を壊す行為を取り除かなければなりません。
そしてトラブルを避けるためにも、退職金と解雇の関係を規程で明確に記述しましょう。
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