1.法律が改正されました!
年金関連改革法案が可決され、「国民年金法等の一部を改正する法律」によると適格退職年金(以下「適年」といいます)から中小企業退職金共済制度(以下「中退共といいます」への積立金の移行について取扱いが変わりました。
適年から中退共に資産を移行するにあたって、初めから中退共に加入していたものとみなして適用になり、その期間が最大で10年分(120ヶ月)と決まっていました。しかし、改正により、この期間の上限が廃止されました。この改正の実施は来年の4月からで、適年から中退共の移行分は積立の全額が移行対象となります。
2.移行後の掛金額はどうなるの?
中退共の月々の掛金はどうなるのでしょうか?現在は5,000円/月から30,000円/月の16種類(パートさんに対応するために2,000円/月から4,000円/月のものもあります)となっております。そして、適年からの移行により移した積立額に応じて、毎月の掛金額が自動的に決定してしまう状況です(たとえば、移行する積立額が3,783,600円であれば、毎月の掛金は3万円となります)。そして、適年の積立金の全額を中退共に移行できるようになったとしてもこの掛金の金額の種類は変わりません。
では、改正後の掛金の額はどのように決めたらよいでしょうか?仮に500万円の積立金を適年から中退共に移行した人の掛金はいくらになるのでしょうか?
それは、5,000円/月〜30,000円/月の任意の金額が積み立て可能ということです。つまり、適年からの移行の積立金額の額にかかわらず、自由に月々の掛金が設定できることになります。
3.移行金額の上限額撤廃で今後の動きは?
適年から制度移行のときに、一番の問題点は「一時所得の発生」でした。適年から中退共や401Kに積立金を移行する場合に移行金額の上限があったため、多くの積立金がある人は、上限をオーバーした分が一時金で振り込まれ、一時所得となってしまいました。税金の問題等が発生するので、企業としては極力一時所得を発生させないようにしたかったのです。しかし、現行の制度では無理もあり「何かいい方法がないかな?」と手をこまねいていた企業が数多くあります。
今回の改正で、今まで手をこまねいていた企業が大きく行動に出ると予想されます。適年の移行に加速するのは間違いないでしょう。
4.2階建ての制度へ!
今後の退職金の運用を設計するにあたって、ベースとなる金額は中退共等で積立し、上乗せの加算部分は成果連動方式等を導入し、「がんばった人には多くの支給を、それなりの人にはそれなりに!」支給するという考えが増えてきました。つまり、「基本退職金部分」と「加算退職金部分」の2階建ての制度の考えがトレンドとなっていくようです。
会社の判断が反映できる制度を民間の生命保険等を利用して構築していく企業が増加すると考えられます。ある意味で、このような制度は現在の退職金や退職年金の自然な姿かもしれませんね!
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