1.退職金前払い制度とは?
退職金前払い制度とは、文字通り退職金を退職時に支払うのではなく、月々の給与や賞与に上乗せして支払う制度のことをいいます。月々の収入はアップしますが、退職時には退職金が支給されません。
現在この制度を導入している企業は、単に退職金制度を前払い制度にすべて移管しているところはほとんどなく、いままでの制度との選択や新制度(たとえば401Kとか)との選択を取っているところが大半です。
2.前払い退職金って本当の退職金?
「退職金制度の意味って一体なんだろう?」
従来の退職金制度は、賃金の後払い説や功労報償説等で会社への貢献度の後払いと考えて差し支えないでしょう。こういった点から考えると月々の支給や賞与の支給で貢献度を評価し、その時点で支払いを済ませてしまう前払い退職金制度は、退職金の本質から逸脱しています。
しかし、現在の社会を考えると、雇用の流動化は当たり前で、学校を卒業してから1つの企業で勤め上げる時代ではありません。終身雇用意識が薄れ、早期に成果配分を求める二―ズも生まれています。退職金を現在の自分に投資したいという機運もあり、個々人の考え方の選択肢が大きく増えています。
ライフプランの多様化に応え、社員の意識改革を促進するためには、前払い退職金制度には、大きな意味があります。
3.前払い退職金のメリット、デメリット
以下に前払い退職金のメリット、デメリットをまとめてみました。
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メリット |
デメリット |
企
業 |
- 退職給付債務が発生しない
- 成果主義賃金の推進
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- 長期勤続の抑制
- 社員の忠誠心の抑制
- 功労報酬の意味が弱まる
- 事務が複雑
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従
業
員 |
- 退職金の早期活用ができる
- 積立金の自己運用が可能となる
- ポータビリティーにより
転職しやすくなる
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- 運用、老後生活などの
自己責任が増す
- 税金、社会保険の面で不利
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4.所得税・社会保険では×
昨年秋、前払い退職金は給与であるとの行政判断が下されました。これにより前払い退職金は月給や賞与と同様に所得税・住民税が課せられ、社会保険料も負担することになります。
退職金は分離課税で、しかも優遇措置がとられています。退職金からは、社会保険料も控除されません。
税金・社会保険料の点だけを考えると前払い退職金制度は避けるべきです。
導入している企業では所得税の増加分は会社負担としているところもみられます。
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